瀬戸内国際芸術祭2025が開幕!島への旅は宇野港から
春というには少し強い日差しが降り注ぐ4月19日、瀬戸内国際芸術祭2025のオープニングイベントが華やかに開催されました。イベントの舞台は、岡山県側の玄関口として注目される宇野港エリア。この日は、会場となる宇野港を中心に、みやま公園などを巡る無料循環バスの運行も開始され、市民と来場者が一体となってアートの祭典の始まりを祝いました。


地元高校生による開会宣言でスタート

オープニングは、玉野光南高校、玉野高校、玉野商工高校の高校生3名による開会宣言からスタート。瀬戸内の島々に広がるこの芸術祭が、地域の希望となるよう願いを込めた力強いメッセージが、会場を静かに、しかし確実に沸かせました。

続いて登場したのは、五次元キーボードパフォーマー・藪井悠介さん。AR(拡張現実)楽器や10種以上の最先端電子楽器を駆使し、日本の名曲『荒城の月』を始めとした和洋折衷の壮大な演奏を披露。音の粒子が宙を舞うような幻想的なステージに、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。

式典には、柴田義郎 玉野市長をはじめ、衆議院議員・山下貴司氏、参議院議員・石井正弘氏、小野田紀美氏、岡山県知事・伊原木隆太氏らが登壇。地元の魅力とアートの融合を称え、「玉野の街全体がアートだ」と熱く語りました。
藪井悠介さん、鶴姫の物語を音楽で表現

ステージ後半では、藪井さんによるオリジナル曲『真っ白き果てへ〜鶴姫に寄せて〜』が初披露されました。この楽曲は、玉野市に伝わる戦国の女武者・鶴姫と34人の侍女の悲劇をモチーフにしたもの。地域の文化財保護委員長・北村氏の案内で訪れた常山城跡での取材をもとに制作され、観客の胸を打つ感動のステージとなりました。
伝統と最先端が融合! 正調カッカラカとの共演

イベントのフィナーレを飾ったのは、玉野市の無形文化財「正調カッカラカ」と最先端電子音楽のコラボレーション。太鼓、音頭、踊りが電子楽器と融合し、まさに伝統と未来が交差する瞬間が訪れました。

観客も次々と輪に加わり、一体感に包まれた会場。保存会の皆さんや地元高校生、市民有志らが繰り広げた踊りの輪の中に、柴田市長自らも加わる姿に、来場者の笑顔があふれました。

アートで街をつなぐ、未来へのスタート
「これを機に若い人たちにも太鼓や踊りを継承してほしい」と語る浜さん、「みんなの笑顔が見えてうれしかった」と話す保存会の金本さん――地元の方々の言葉が、このイベントの成功と今後の可能性を物語っていました。

瀬戸内国際芸術祭2025は、まだ始まったばかり。宇野港を起点に、瀬戸内の島々へ広がるアートの旅を、あなたも体験してみませんか?
瀬戸内国際芸術祭会期
- 春会期:2025年4月18日〜5月25日(38日間)
- 夏会期:2025年8月1日〜8月31日(31日間)
- 秋会期:2025年10月3日〜11月9日(38日間)
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